そして、2月14日。
チェシャ猫には何も言わず、こっそりと家を出る。出る直前に見てみると、チェシャ猫はお祖母ちゃんと向かい合ってお茶を飲んでいて、それを叔父さんが複雑そうに見ていた。お祖母ちゃんは時々チェシャ猫と世間話をしているみたい。チェシャ猫も馴染んでいるみたいで、良かった。
レストラン・イナバにて、そこでもまた色々あったけれど……何とか、チョコは完成した。
色んな人にあげたいから、トリュフを沢山。
「綺麗に出来たじゃないですか、アリス!」
「うん! ありがとう、みんなのお陰だね」
ゲコゲコと大喜びのカエル達は、今度はラッピング用の色んな包みやリボンを取り出してきた。
「どれがいいですか、どれでもお好きなものを選んでください!」
「わー、色んな種類があるんだね。……あ、このシックな赤の包装紙、女王様にどうかな?」
「それでしたらリボンはここの深緑を……」
そんな風に、わいのわいのと喋っている私達は気付かなかった。
出来上がったトリュフの傍に、公爵夫人が来ていた事を。
「ああああああああーーーー!!!!」
「……それで、あれだけあったトリュフが……」
「あ、アリス……私のハニーを責めないでおくれ! ハニーはただ美味しいデザートが食べたかっただけなのだよォー!」
小さくなったのに食欲は健在だった公爵夫人は、私とカエルが気付いた頃にはトリュフを全て平らげていた。
ああああ……どうしよう。
夫人は今度はまた別の料理に手をつけていて、公爵は涙目で私に訴えている。
……公爵が食べたわけじゃないから、公爵を恨むのは筋違いなんだけど……何で、止めていてくれなかったの……。
怒りよりもがっくりとした脱力感の方が強い。
……どうしよう?
⇒もう一度チャレンジ
⇒別の場所で作ろう
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